“言葉はないけれど見た人それぞれの物語が生まれるといいなと思っています。日常の中で心が振れるものを蓄えて形にしていきたいです。”
シンプルなのに奥行きがある印象の作品がそのまま空間になったような、ムツロマサコさんのアトリエ。彼女はそこで精巧な時計を組み立てるようにして制作をします。一つの作品を作る時も、まずはパーツを構成する素材を選び、手作業で切ったり、剥がしたり、インクを刷り込んだり、拭き取ったり。それらのものが手作業で、またはパソコンに取り込まれて、バランスよく配置されていきます。その行程の繰り返しこそが、彼女の作品に深みを与えていくのです。